マージおじさんとボグヴァーツ特急  著:日下部 峰雪


第30話 組み分け帽子

 スリザリンから歓声が上がった。もはやハリーには何の関係も無い。その新入生の方を振り返る筈も無かった。ロンの双子の兄、フリードリヒとゲオルギィが驚愕の表情を浮かべていたのは気になったが・・・。

 マージおじさんの方も訳の分からない行事の進行を無視して必死にハリーの姿を探していたが、ハリーがこっちを向く事は無かったため、ホール内が暗くて広い事も手伝って、憎むべきその姿を見つけあぐねていた。そうこうしているうちにスリザリンと呼ばれるグループに連れて行かれ、相変わらずどういう訳か子ども扱いされるのは気に食わなかったが、そこでスリザリン生たちの温かいもてなしを受けた。

 やがて組み分けが終わり、正面席の中央に金モールのついた白い詰襟を着た、白髪交じりのオールバックに見事な口ひげを蓄えた男が立ち上がると、全生徒が一斉に正面に向き直った。それを確認すると件の男は燻らせていたパイプから口を離し、厳かに新学期の開始を宣言した。いよいよ新学期恒例の晩餐会が始まろうとしていた。

第29話<<                                            >>第31話