マージおじさんとボグヴァーツ特急 著:日下部 峰雪
第22話 執務室
所変わってここはボグヴァーツ魔法学院、その中枢の最も高いところにある校長の執務室。 晴れていればこの上もなく見晴らしのいい、飛行禁止区域でもあるこのボグヴァーツ宮殿の最上層の窓の外は曇りきっていて薄暗かったが、明かりを点けるでもなく、二人の人間が大きな机を挟んで座っている。
部屋は狭くはなかったが飾り気もなく、敷物の一つも敷かれてはおらず、装飾はといえば暖炉の上に掛けられた絵一枚という程度である。
二人のうちの一人はこの薄暗い執務室の主、ボグヴァーツ魔法学院の校長…魔法世界の名士にして連邦の最高権力者である。彼はあらゆる政敵を葬り倒し、今や魔法世界のすべての権力をその鋼鉄の掌に握りこまんとする東方の超人で、その名をアルバス・ヨシフ・ヴィサリオノヴィチ・シュガシヴィリ、通称ダンブルドアと呼ばれていた。
机をはさんでダンブルドアと対面しているのは、同じく学院の教授でもあり、行政にも強い発言力を持っている連邦bQ、内務人民委員会長官マクゴナガレフ、通称ミネルバである。
そのミネルバ・マクゴナガレフは、事の重大さにしばし中断していた会話に再び息を吹き込もうとでもするかのように口を開く。しかし、その口調はやはり重々しいものだった。
「・・・ですが、ファシスト兵共はともかく、例の老人共や他の連中はまだ『水瓶』の所在に気付いた訳ではありません。連中もまだ当分は身動きが取れないでしょう。イギリス政府との関係を考慮しても、この問題は保留にしておいても当面問題はないと思われます。・・・報告を続けます、同志ダンブルドア。例の、ロンドンのガード任務に当たらせていた工作員からの連絡が途絶えました。」
それまで静止していたダンブルドアはようやく、そのへの字型の眉の片方をゆがめつつ愛用のパイプからひとつ煙を吐き出すと、射るような視線をマクゴナガレフに向けた。
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