マージおじさんとボグヴァーツ特急 著:日下部 峰雪
第15話 ロンドンの駅
バーノンおじさんとペチュニアおばさんはロンドンの駅までハリーを送りに来ていた。 おじさんは落ち着きなく周囲を窺っている。というのも全くもってけしからん“九と四分の三番線”とやらに近付くにつれ、おそらくはハリーと同類の“けしからん”連中と思われる者が増えていくのを、確かに感じるからである。
なるほど、行き交う者達の服のセンスや仕草、端々から聞くともなしに聞こえてくる奇怪な単語は、如実にそれを物語っていた。
下手をすると何をされるか分からない…。おじさんはいつもにも増して神経質になっていた。おばさんもおじさんに寄り添う。無論、恐怖からだ。
そんな二人の心中が手に取るようにわかって、ハリーは満足気である。
「・・・あれぇ?おじさん、顔色が悪いよ。全く、クィディッチって素敵だよねぇ?」
ハリーはさっきから、普段ではありえないくらい饒舌におじさんに話しかけている。よりにもよって魔法の世界の話を、だ。
当然ハリーも、周りには自分と同じ魔法使いがたくさんいて、さらに自分がその中にあってアイドルであることを十二分に承知していた。さらにそれに根拠を与えてくれる、時々自分の顔を見つけるや挨拶をしてゆく人々の存在をこれ見よがしにおじさんおばさんにアピールし、勝利に浸っていた。
バーノンおじさんはそのことが不愉快でならなかったが、ああそうだな…ああそうだな…と、相槌を打つことしかできなかった。あまりに分が悪いことくらい、言われなくても分かっている。
と、駅員達が心なしか血相を変えて駅の出口へ走り去っていく。何かあったのだろうか。
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