マージおじさんとボグヴァーツ特急  著:日下部 峰雪


第11話 袋小路

 すっかり怯えきって、逃げ道のない袋小路にはまり込んで腰砕けになった男を、マージおじさんは余裕たっぷりにしげしげと観察する。
「ずいぶん汚い格好だねえ、こんなよぼよぼのジジイが尾行やらされるなんてねぇ。おまけにどっかで会った事があるじゃないか。・・・そうだ、思い出した、バーノンの家の近くをうろついていた乞食じゃないか。こんなところで何してんだい?あたしに何か用があるんだろ?え?」

 体格で二回り上回るマージおじさんは、小柄な老人の襟首を掴みにかかった。
「さあ、洗いざらい聞かせてもらおうか?昨今このあたりに来たばかりの不案内な乞食がこんなところに用があるわけねぇだろ!ん?」

 がたがた震えているおじいさんは、おじさんの逞しい右腕に掴み上げられながらようやく口を開いた。

 「私、乞食じゃないです。あなたを助けに来たんです。」
「あっは!嘘は休み休み言えよ?それともなんだ、あたしが貴様ごときの世話にならねえといけないとでも?中東じゃあなあ、捕虜を吐かせるのにどうやったか教えてやろうか?」
「何でもいいますっ!何でもいいますから!確かにあなたをつけていました、本当は秘密裏に処理するつもりでした。ほかの人に黙っていてくれるなら何でも言いますから!」

 この時点でマージおじさんは、おじいさんをくびり殺しかねないほどの力で締め上げにかかっていた。

 「秘密裏に、ねえ・・・。どうもお前は本当に工作員とかの類には失格なくらい初々しいねぇ。…いいだろう、祖国に誓って黙っといてやる。とりあえずお前の話を聞こうじゃないか。」
おじさんは力を緩めたが、老人は相変わらず宙ぶらりんだった。

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