マージおじさんとボグヴァーツ特急 著:日下部 峰雪
第5話 野太い声
と突然、
「状況は分かったよ・・・」
部屋の入り口から野太い声が響き渡る。バーノンおじさんのものではない。 全員が一斉に入り口へ視線を向けた。 刹那、それまで余裕たっぷりに笑みを浮かべていたハリーが竦みあがる。
「マージ!いつ来たんだい?」
バーノンおじさんが入り口に駆け寄り、彼のたった一人の妹(?)を出迎える。 彼(彼女?)、マージ・ダーズリーこそ本作品の主人公である。 そう、彼の妹は元は男だった・・・。 マージおじさんはこのように脈絡もなく、しばしばダーズリー家に遊びに来る。 そしてそのたびにハリーにトラウマを植え付けていくのだ。
「前に来たのはもう少し前だったんだがねぇ、かわいいダッダちゃんはすっかり腕っ節が強くなっちまったようだねぇ。男の子はやっぱり強くなくっちゃ!」
「どういう意味だい?マー・・・ジ・・」
言いかけてバーノンおじさんは言葉を飲み込む。
「・・その額の怪我は・・?」
マージおじさんは凄みのある笑いを浮かべた。額から一筋の血が流れてきた。
「なーに、この家の前まで来たら何か紙くずが飛んで来てねえ、何だと思って拾って眺めてたらお前さん、次には四角い機械が飛んでくるじゃないか。おかげで日曜の朝から道路の真ん中で日光浴さ。通りかかった乞食のじじいも面白そうに私を見ていたよ」
太った彼女の肉体はさぞ往来の邪魔になったことだろう。
「ははは、そりゃ珍しいな、こんなところに何を貰いに来たんだか・・。全く、けしからん乞食もいたもんだ、警察は何をしとるんだか・・。」
バーノンおじさんは取り繕うように気まずい笑みを浮かべた。 今や醜く太りしわがれてはいても、元軍人の彼女の手の早さには内心怯えていた。
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